「本とITを研究する会」メンバーの皆様へ
お世話になっております。
令和に改元してはや一か月。
梅雨間近の5月下旬、からりとした日が続いたり、初夏のような日が続いたりと、
不思議と過ごしやすい気候でした。
この一か月、皆様はいかがお過ごしだったでしょうか。
6月は、以下4本のセミナーを開催します。
【6/12開催】「エンジニアのための たった3ヶ月で100人のコミュニティを着実に育てる入門講座」
~第25回 本とITを研究する会~
https://tech-dialoge.doorkeeper.jp/events/91928
【6/26(木)開催】エンジニアのための レコードを観て・聴き・触れる:
「デジタルの意味をアナログレコードから考える」 ~第27回 本とITを研究する会~
https://tech-dialoge.doorkeeper.jp/events/92318
【6/20開催】「忙しい人のための アクティブライティング入門・導入編」
~第26回 本とITを研究する会セミナー~
https://tech-dialoge.doorkeeper.jp/events/91929
【6/11(火)参加無料】「エンジニアのための「おとなの速読」無料体験入門講座」
~第24回 本とITを研究する会セミナー~
https://tech-dialoge.doorkeeper.jp/events/92075
集客の学習や、アナログレコードの試聴閲覧という、いままでにやったことのない試みもございます。
ぜひお楽しみに、ご参集ください。
では、「今月ブログ」「今月の雑感」をお伝えします。
●今月のブログ
「言葉とはなにか」を鋭くえぐった名著:『グラマトロジーについて』(ジャック・デリダ著)(前編)
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2019/05/30/131701
映画化もされた情熱編集娯楽劇は面白い:『船を編む』(三浦しをん著)
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2019/05/24/164646
7月3日(水)開催「AI導入は出版業界を救うか?」のチケット予約販売を開始しました!
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2019/05/17/182133
7月3日(水)19:00~「出版を元気にするプロジェクト:「AI導入は出版業界を救うか?」
~本とITを研究する会~」を開催!
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2019/05/10/121330
壮大なテーマと詳細なデータで読者を「次世代の大使」へと導く、リーダー必読の啓蒙書:
『海の歴史』(ジャック・アタリ著)(後編)
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2019/05/03/174004
●今月の雑感:教養としての文学のすすめ
7月3日(水)には勉強会「AI導入は出版業界を救うか?」を開催する。
5月10日のブログエントリー( http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2019/05/10/121330 )で
書いたとおり、登壇者の二人であるITエンジニアの三井さんと文学YouTuberベルさんとで、
事前MTGを実施した。
このときの議事録を読みながら、
本を巡った談話の勢いを反芻するように思い出していた。
書評とは本来読むもの。
しかしそれを動画に昇華したところが、ベルさんの独自性である。
読者として彼女は本への熱い愛を伝えながら、現代文学を中心に新刊の紹介に力を注いでいる。
7月3日(水)の「AI導入は出版業界を救うか?」に登壇される。
本好きのITエンジニア、もちろんノンエンジニアも、ぜひご来場いただきたい。
【7/3(水)開催】 出版を元気にする勉強会プロジェクト:「AI導入は出版業界を救うか?」
https://tech-dialoge.doorkeeper.jp/events/91523
今回は、私が「ITエンジニアにこそたくさん本を読んでもらいたい」という願いを、
たえずブログやSNSで伝えている意味を、以下でお伝えしたい。
ITエンジニアには、多様性を受け容れるマインドが必要となる。
それは、顧客が抱える多様な課題を解決するためである。
マインド形成のために、文学や哲学、歴史の本を読む。
それが最強のエクササイズになる。
近年はITエンジニアにも理研文系を問わない「教養」が求められているのも、
ここに理由がある。
言い換えると、教養は、顧客課題の多様性をキャッチするための傾聴力である。
ITエンジニアが技術的な知識を持つことは言うまでもない。
そのうえに、深い教養を身につけることで、
顧客に価値の高いサービスを提供することができる。
では、教養とはなにか?
それは、その人が持つ情報や興味、好奇心の範囲と、
その人の人間性が混ざり合ったもの。
そして、その人の知識と好奇心、人格が三位一体となったものである。
教養は、決してテストで採点できるものではない
(「教養検定」なる資格試験も出てきそうだが……)。
数値化はほぼ無理である。
暗記した知識やキーワードの数で示すことができないのが、教養である。
では、この教養の入り口に立つために最適な手段はなにか。
それは、本であり、文学である。
本は、作品として人の手で編まれている。
作家が構成を練り上げ、書き上げ、編集制作が査読し、作りこむ。
これは、本づくりの伝統的なスタイルだ。
メディアが紙であれ電子であれ、このプロセスを経て作りこまれた
アウトプットは強い。
そして、情報量が圧倒的に多い。
Webだけで教養を得ることはできない。
その理由が、ここにある。
哲学や歴史など、教養を手に入れるための本のジャンルは大量にある。
その中で、最も入りやすいのは、文学である。
なぜなら、読むことに専門性は不要だから。
さらに、さまざまな読者に読まれることが想定される。
それが、文学である。
もちろん、文学の幅は実に広い。
読者を選ぶ文学作品も山のように存在する。
書店で平積みされている作品でもよい。
また、文学YouTuberベルさんが紹介されている作品でもよい。
自分の感性に響いた文学作品を見つけ、手にとり、読んでいただきたい。
そこから、古典文学に向かったり、哲学や歴史に向かったり、
自分の方向性を定めればよい。
文学にはさまざまなものが含まれている。
愛や憎しみ、喜びや苦しみ、死や感謝、など。
人間そのものや、人間を取り巻く神羅万象を文字にし、
再構築を試みる。
そうした言葉の芸術が、文学である。
ITエンジニアにこそ、ぜひ、文学を通して、
人間の本質に触れてもらいたい。
人間の本質に触れたというフィルターを通して、
サービスを開発・提供していただきたい。
そこからさまざまなジャンルの本に広がり、
教養をさらに磨いていただきたい。
そうした挑戦の先には必ず、成長があり、未来がある。
7月3日の勉強会「AI導入は出版業界を救うか?」が、
そのきっかけになってくれることを心の底から期待している。
* * *
今月もさまざまな学びと交流の場を設けていきます。
状況の変化は随時DoorkeeperやFacebookなどでお伝えしますので、
ぜひチェックしていただけたら嬉しいです。
【本とITを研究する会 Doorkeeper】
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また、本メールマガジンのバックナンバーは、以下でお読みいただけます。
【バックナンバー】
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ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
今月も皆様にとって、健康で学びと実りの多い一か月であることを祈っております!
本とITを研究する会 三津田治夫
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