9月は、監修させていただいた書籍『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』
( https://amzn.to/2EdPa7v )の出版記念セミナーと、
音楽家高橋望さんの恒例ブック・トーク大会(音楽関連の書籍を5冊取り上げ、
とても盛り上がりました)を、いずれもZOOMでオンライン開催いたしました。
ZOOMは移動なしに集合でき(これはすごい)、
三密状態を確実に回避できる(これもまたすごい)、
画期的なオンライン会議ツールです。
画期的とはいえ、ZOOMに欠落する決定的なものがあります。
それは、「ライブ感の共有」です。
話し手と受け手の声色や表情など微妙な情報をやり取りし、
話し手が反応を受け取るということが、できないのです。
オンラインの絶対的な限界がここにあります。
セミナーのオンライン開催を通し、ますます、オフラインの重要性を痛感しています。
しかし、オンライン化が止まることはありません。
オンライン化が進むとともに、住民の地方分散も加速しています。
総務省の発表によると、8月の東京都の転出者数は3万人を超え、
前年の同月比で16.7%増えたとのことです。
この状態はますます加速し、さらにオンラインのニーズが高まり、
同時にオフラインのニーズも高まることでしょう。
本とITを研究する会では、今後も「オンラインとオフライン」に注目し、
情報発信および活動を続けてまいります。
このことに関し、情報交換などもできましたら嬉しいです。
これからも引き続き、よろしくお願いいたします。m(_ _)m
●今月のブログ
9月26日(土)「新時代に捧ぐ 読書の快楽 第3回 ブック・トーク大会」を開催
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/09/27/183051
読書会の記録:『ぺてん師列伝』(種村季弘著) ~ぺてんと詐欺の本質を徹底討論~
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/09/18/133904
『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』:
ジュンク堂書店池袋本店からのレポート
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/09/14/164002
『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』:
渋谷駅前TSUTAYAの書籍売り場を訪問しました。
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/09/11/184726
9月9日、「わからない人に教えたい人のためのIT入門講座『ゼロから理解する ITテクノロジー図鑑』出版記念セミナー」盛況にて終了
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/09/10/182235
『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』:
MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店にお邪魔しました。
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/09/09/182637
『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』:
紀伊国屋書店・西武渋谷店にお邪魔しました。
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/09/08/144554
●今月の雑感:『新時代を迎えるための 「ITの教養」を身につけるには?』
社会のIT(情報テクノロジー)化が急激に加速している。
エンジニアとして、編集者として、私がIT業界に身を置いて29年が経過したいま、これまでで最も、変化は劇的で身体的であると実感している。
そんな中、国内の企業ではテレワークの導入が遅れている。
普及率の上昇が喧伝されるものの、実際にはさほど普及していない、
というのが私の個人的な印象だ。
その印象を裏打ちするデータを、大手クラウドストレージ・サービス企業の
Dropbox Japanが7月13日に公表している。
日本国内のナレッジワーカーを対象に行ったアンケートで
6割がテレワークを導入しておらず、さらにその5割以上が「テレワークでできる業務がまったくない」という。
そのうえで、経営者・部長クラスの半数近くが「テレワークのメリットを感じていない」と回答する。
国内の過半数がテレワークを導入しておらず、その半数のリーダーたちが「メリットを感じていない」という結果である。
この社会状況下で、しかもテレワークとの親和性が高いはずのナレッジワーカーのリーダーたちが、テレワークの導入に消極的とは、一体何が起こっているのだろう。
ITの知識構造は平坦でない
組織やワークスタイルの課題もさることながら、
この消極性の背後にはITの知識にまつわる課題が大きい。
それが変化への恐怖という心理作用と相まって、
消極性を後押ししているように私には見える。
企業内でよく見られるITの知識にまつわる課題は、以下の2点に要約される。
①ITの俯瞰的な基礎知識が社内で共有されていない
②意思決定者の知識と現場の知識との乖離が激しい
「①ITの俯瞰的な基礎知識が社内で共有されていない」は、
ITが複雑多様化したいま、
むしろリーダーに俯瞰的な基礎知識が抜け落ちている場合が多い。
ここで言う「俯瞰的な」とは、テクノロジーだけでなく、
経営やマーケティング、サービス、社会とのかかわりなど、
関連するすべてを含めたITの知識や見方を指す。
とくに経営や管理を企業から任されているリーダーたちは、
刻々と変化するITの表面的な情報を逐一追いかけることに多くの時間を費やす。
言い換えると、ITのトレンドやキーワードを追いかけるだけで
成立してしまう(ように見える)仕事は多い。
もちろん、深い経験に裏付けられた知識を持った優れたリーダーはいるし、
逆に聞いては恥ずかしいITの知識をそのままにするリーダーもいる。
スタッフにテクノロジーの知識はあるが顧客やサービスの知識はなかったり、
あるいはその逆など、さまざまである。
このように複雑化し標準化が難しいITの知識構造がある上に、
情報が共有されていない。共有されていないゆえに、
「②意思決定者の知識と現場の知識との乖離が激しい」が発生する。
①と②は絶えず社内をぐるぐると回っている。
日本の企業内でよく見られるITの知識構造だ。
人をITへと近づける好奇心の力
日本社会のインターネット化が急速に進んだ1995年。
この年の11月にはWindows95がマイクロソフトからリリースされた。
日本のITユーザーたちは「誰でもインターネットができる!」と一気に沸き立った。
そこから、人々がスマートフォンや電子決済に日常で触れるといった、
IT社会が日本に形成された。
たった25年である。
これを「ドッグイヤー」に換算したら、通常の年数経過の7倍、
実に175年が経過した計算になる。
大胆な言い方が許されれば、この25年間で、175年分の高密度な情報が
ITの中に詰め込まれてきたのである。
ちなみに175年前といえば1845年。
まさに、幕末がこれから訪れる、という時期である。
ITの知識を手にすることは語学と近い。
その国の言葉を身につけるにはその国の言葉を使う人たちの
文化とマインドを俯瞰的に知る必要がある。
キーワードの暗記と会話だけでは理解に限界がある。
「文化とマインドを俯瞰的に知ること」とはつまり、「教養を身につけること」である。
再び語学を例に取り上げる。
語学を身につける最短距離は、その言葉を使う人種の異性を恋人にすることだ。
好きな相手を知りたいという強い好奇心とともに、相手に近づき、
言葉でコミュニケーションを交わす。
より高度なコミュニケーションを交わしたいという欲求と共に、語学力が高まる。
知識を手にする原動力は暗記力ではなく、好奇心の力である。
そして知識が血肉になることで、知識は教養になる。
好奇心があれば気づきが起こり、新しい発見と知識が手に入る。
好奇心はインサイトの原動力でもある。
そしてインサイトはイノベーションを引き起こす。
続きはこちら( http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/09/20/120519#link )から読めます。
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今後もさまざまな体験と学び、対話の場を設けていきます。
状況の変化は、随時DoorkeeperやFacebookなどで
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ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
今月も、健康で心穏やかな一か月でありますように!
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