東京の感染者が連日100人を超えるなど、新型コロナウイルスは油断ならない状況です。
テレビの報道を見てもあやふやな表現が多く、不安を感じられる方は多いでしょう。

とはいえ、コロナ禍は必ず終わります。
その前提で、私たちは、目前のことだけではなく、
「コロナ後」を視野に入れながら生きていきたいです。
もちろん、目前のこと、重要。
そのうえで、一歩先を見ながら、次の日本、次の世界を共に考えていきたいです。

今月の21日(火)、そんな未来を考え、共有するオンライン・セミナーを開催します。
スピーカーには『首都感染』で新型コロナウイルスを予言したといわれる話題の作家、
高嶋哲夫氏をお招きし、アフター・コロナの私たちを取り巻く環境と未来を、
存分に語っていただきます。

明日の勇気を得たい人、日本と世界の未来を考えるリーダーには、
ぜひご参加いただきたいです。
すでにさまざまな業界リーダーからの参加登録を多数いただいています。
ここでしか聞けない貴重な内容をご期待ください。
詳細と登録は、以下URLです。

【7/21 高嶋哲夫 オンライン特別セミナー】
アフター・コロナを考える「新しい日本の形、新しい日本の創造」
https://tech-dialoge.doorkeeper.jp/events/108069

セミナーで手にした知見をもって、日本を、世界を、ともに変えていきましょう!


●今月のブログ

6月19日(金)読書会の記録:『サド侯爵夫人』(三島由紀夫著、新潮文庫)
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/06/19/183019

6月5日(金)テレワークが加速させる、地方分権社会の形づくり
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/06/05/200630


●今月の雑感:コロナ禍で見えた「納得の図式」を知ること

最近私が書くのは、
新型コロナウイルスを題材にしたものばかりである。
理由は、新型コロナウイルスは、いいものから悪いものまで、
さまざまな隠れていたものを露呈させたからだ。
これは、歴史的な大現象である。
いってみたら、
「池の水を全部抜いたらこんな生き物がいてびっくり」な感じである。
いまだからこそ、「こういうものがこう露呈した」という事実を
認知することで、心の混乱が避けられるはずだから共有しよう、
という意図も、書くことにはある。

今回のコロナ禍において露呈した象徴的な現象は、混乱期の差別問題だった。
アメリカでは警察官の暴行によるジョージ・フロイド氏の死亡で、
黒人差別問題は世界に飛び火した。イギリスやフランスでは黒人奴隷商人の銅像が
次々と倒され、暴徒化した人々による黒人差別反対運動が各国で勃発した。

混乱期において人々の心はとらえどころのない恐怖に支配される。
日本でも差別意識は湧き上がっている。
とらえどころのない心理を理由づけるために、
人々は差別対象を選定する。
これにより「恐怖の原因は○○だ。だから○○を排除すれば恐怖から解放される」
という「納得の図式」を人々は描き、実現し、心を落ち着かせる。

日本でも今回、差別を通した「納得の図式」が現れた。
それは「自粛警察」である。
緊急事態宣言下で開業している飲食店などに、嫌がらせのチラシを貼ったり、
誹謗中傷の言葉をネットで書き連ねる、などの行為である。

医療従事者への職業差別、感染者への差別なども、まさに、混乱期に起こる人間心理が「納得の図式」を描き出した結果だ。

これは言い換えると、法によらない制裁、リンチである。

朝鮮人が井戸に毒を入れたというデマが流れ人種差別が行われたのは、関東大震災という混乱の中だった。

ナチス・ドイツのユダヤ人迫害は第二次世界大戦下でドイツの戦局にかげりが出て、
食糧難という混乱の中で生まれた差別だ。

いつの時代にも、とらえどころのない恐怖に対する「納得の図式」は成立する。

アメリカでジョージ・フロイド氏を殺害した警察官も、
日本の「自粛警察」も、とらえどころのない恐怖に対する「納得の図式」を成立させた結果であることは、しっかりと認識しておきたい。
さらに言えば、銅像をなぎ倒す暴徒も、怒りにより「納得の図式」を成立させている。
そして「納得の図式」が拡大すれば、戦争が起こる。

「納得の図式」とは、言い換えるとエゴである。
心の自衛のために、他者に暴力をふるう。
本人たちはそれに気づいていない。
話を広げると、いじめの構造も、「納得の図式」にそのまま当てはまる。

こうした、人間の恐怖回避心理の事実を知っておきたい。
「知る」ことで、自分の行動、ひいては、世の中の動きが、大きく変わる。

この構造を知ったうえで、なにが必要か。

エゴを発動し、他人を自分が生きる手段として利用しないこと、である。

いみじくも、18世紀、哲学者のイマヌエル・カントが残した言葉だ。

世界平和を考え抜いたカントの言葉が、21世紀のいまになって、重く響いてくる。

本とITを研究する会 三津田治夫

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今後もさまざまな学びと問題解決の場を設けていきます。
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今月も皆様にとって、健康で学びと実りの多い一か月でありますように!

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