この一か月は、書店を回ったり、新刊を制作したり、
ワークショップを作成したりなど、相変わらずばたばたしていました。
そんな中、仕事のこと、コミュニティのこと、
さまざまを熟考する時期でもありました。
とくにこの1か月で最も印象的だった出来事は、
ラストのコラムでも書いたプロジェクト「知活人」です。
本とITを研究する会の4人のメンバーで「知と地域」をテーマにしたプロジェクトを、2020年2月のローンチに向けて動かしています。
メンバーで行っているディスカッションの中に、
ZOOMで外部からご参加いただく会を2度開催しましたが、
そこでの議論が熱く、予想もしない意見や発言も多く、
主催した自分自身驚きました。
コロナ禍を通して、
「知と地域」に対して思うところは皆さん多かったのでしょう。
とくに、緊急事態宣言を機に、人は移動ができなくなりました。
移動のできない生活がいかに不自由かを私たちは体験しました。
逆に、地元や家にとどまることの喜びも私たちは体験しました。
コロナ禍を通して、「移動」に課題があることがわかりました。
プロジェクト「知活人」では、「知と身体の移動」に着目し、
イベントや交流、学びを共有していきます。
11月12日(木)には、以下「知と地域のプロジェクト
「知活人」オンライン・ディスカッション会」を開催します。
「なんだろう?」「面白そう」と感性が響かれた方は、こちらにご参加ください。
対話の機会になれば幸いです。
●今月のブログ
こしがやエフエム「モーニングライブハッピー868」にて、対談が放送されます
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/11/05/190306
第31回飯田橋読書会(withコロナ・バージョン)の記録:
『人間・この劇的なるもの』(福田恆存著)
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/10/29/115012
地域貢献活動の一環として、「越谷技博」にてITワークショップを開催
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/10/22/192838
10月28日(水)に、知と地域のプロジェクト「知活人」オンライン・
ディスカッション会を開催します
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/10/17/144304
「本」とはなにか?
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/10/08/110953
丸善 丸の内本店に『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』の自作ポップを持参しました!
http://tech-dialoge.hatenablog.com/entry/2020/10/01/140417
●今月の雑感:『「「知活人」オンライン・ディスカッション会」 から見えてきた、日本のいまと未来』
11月12日(木)に、第3回となる以下の「知と地域のプロジェクト「知活人」
オンライン・ディスカッション会」を開催する。
過去2回実施して受けた印象は、この時代において「知」と「地域」に
関心の高い人が多い点だ。
コロナ禍を通して地方分散社会が叫ばれるようになった。
これを機に、知と地域のプロジェクト「知活人」を立ち上げたのだが、
過去2回のディスカッションだけでも、さまざまな課題や方向性、
気づきが浮き彫りになった。
場所と思考の往来を重視する「知活人」
最も大きな気づきは、「都会と地方を往来しながら仕事をしたい人」と、
「都会から地方に移住、もしくはその逆によって、“定住”したい人」がいることだ。
ここで知活人の活動指針として再確認できたのは、
知活人は定住支援のプロジェクトではない点だ。
放牧民のように定住地を持たない人を支援する、という意味でもない。
一定の場所に居住空間を持ちつつ、定期・不定期に活動場所を
移転・往来する、という働き方・生き方に価値を置くのが「知活人」である。
また改めて確認したのは、活動場所の移転にとどまらず、
「考えの移転」にも重きを置く考え方だ。一定のイデオロギーや
主義、宗教に固着せず、人間本来の生き方に基づいてさまざまな
考えを往来する点をも「知活人」は重視する。
北は福島の限界集落、南は鹿児島まで、さまざまな課題を共有
過去2回のフリー・ディスカッションを通して、「知活人」の
ありうべき、さまざまな様相が見えてきた。
居住空間(住む場所)という「場」の課題と、考え方や生き方
という「心」の課題の双方を、「知活人」ではコミュニティ
として共有し、解決しようと取り組んでいる。
第2回目のフリー・ディスカッションでは、北は福島の限界集落、
南は鹿児島まで、本当に全国から多様な方々にお集まりいただいた。
印象的だったのは、「いま住んでいるところは大好きだから
離れたくない。でも職場は東京にあり仕方なく通っている」
という方や、「田舎が嫌いで都会に移住した。あなたたちが
なにをしたいのか知りたい」という意見の方もいらっしゃった。
福島の限界集落から東京の仕事をしている方は、お子様の教育の
問題(1クラス3人)、ご両親の高齢化・医療の問題、古くからの
集落の住民との人間関係など、さまざまな課題を赤裸々に語ってくれた。
地方分散社会の実現が叫ばれるとはいえ、そうそう簡単ではない
ことは見えてきた。そして、コロナ禍でこれだけの目に遭っても、
日本人はまだまだ変わりたくないという空気も、なんとなく嗅ぎ取った。
3.11のときも「日本は変わる!」と何度も言われてきた。
が、さほど変わらなかった。
災害に対する恐怖意識が高まることで、恐怖意識が「変化への恐怖」
への意識へと書き換わったのだろう。
きずなを超えた「連帯」がアフター・コロナの日本をつくる
3.11のとき日本には「きずな」という言葉があちらこちらから聞かれた。
コロナ禍のいま、私たちにはどういった言葉がキーワードになるのだろうか。
私が考えるのは「連帯」(ソリダリティ)である。
あるエンジニアさんから、
「いまは団結の時代。意識的な強いつながりがこの時代を乗り越える」
ということを聞いて、私が考える言葉との親和性を見た。
人々が強いつながりで連帯し、新しい社会をつくる。
そして新しい社会を、子や孫の世代に受け継ぐ。
これにより子や孫の世代の人たちには、よりクリエイティブな
課題に取り組んでいただきたい。
そんな社会構築に「知活人」は貢献していきたい。
興味のある方は、ディスカッション会にご参加いただきたい。
* * *
今後もさまざまな対話と学びの場を設けていきます。
状況の変化は、随時DoorkeeperやFacebookなどでお伝えします。
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今月も、安心の一か月でありますように!
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本とITを研究する会 三津田治夫
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